〒311-0105 茨城県那珂市菅谷3385-1 駐車場:有
受付時間 | 9:00~17:30 |
|---|
定休日 | 土曜・日曜・祝日 |
|---|
7月も半ばを迎え、青空とセミの声に夏本番の気配を感じる季節となりました。
しかし、連日の厳しい暑さや室内との寒暖差など、体調管理には何かと気を遣う時期でもございます。強くなる日差しや鮮やかな夏の緑に季節の深まりを感じつつも、まずはこの暑さを無事に乗り切りたいものです。
さて、7月号の事務所ニュースを送ります。
【目次】
<近況>
1.人手不足なのに、なぜ正社員求人は減っているのか?
(1) 経済のイメージと現実のギャップ
先日、近くのハンバーグのお店にランチを食べに行きました。
いつも駐車場がいっぱいなので、ちょうど所用でお昼が13時になってしまったので、そろそろ空いてきた時間帯だろうと思い2年ぶりぐらいに入ってみました。女性2人がテキパキと注文をさばいていました。
壁に次のような張り紙がしてありました。
「人手不足のため、祝・土・日の営業を当分の間お休みいたします。また、ディナーについては、予約のみとします」
これって存続にかかわる大きな問題ですよね。女性2人は明らかに子育ての年齢の人です。夜と休日は、やっぱり働くのは無理なんだろうなと想像ができます。新たに夜のバイトやパートを雇うのも大変ですからね。このお店は、夜はほとんどお客が入らないからです。バイトを雇っても客が来なければバイトに支払う人件費が大変ですからね。
また、そういえばテレビでもよくやっています。また近くの店でも、ワンオペの飲食店が増えているのもうなずけます。何とも恐ろしい時代になりました。
先日、都内に出張で行ってきました。ちょっと時間が余ったので昔ながらの商店街を駅から端まで歩いて観察してみました。そこの通りは、かなりの人通りがあり活気がすごくあります。飲食店もたくさんあります。外から覗いてみると流行っているお店とそうでないお店がありますね。空いている店舗はなかったです。
端まで行って、また駅方向に向かいました。結構長くて1kmぐらいあります。そこでふと感じました。普通に50m位歩いていると1人を追い抜き、2人に追い抜かれると・・・。
明らかに自分より年配の人については、「歩くのが遅いね」と心の中で呟きながら抜いていくんですが、学生やサラリーマンとかには簡単に自分も追い抜かれてしまいます。そうなんです。歩くのが遅くなったなあーと自覚した瞬間でした。
① 人手不足の報道と現場の悲鳴
近年、「人手不足」という言葉を聞かない日はありません。テレビのニュースや新聞の経済面を開けば、「建設業の深刻な若手離れ」「介護職員の圧倒的な不足による事業所閉鎖」「2024年問題に端を発するドライバー不足」「製造業における技術継承者不足」といった見出しが連日のように続いています。
「ハローワークにずっと求人を出しているのに応募が全くない」「せっかく採用してもすぐに辞めてしまう」といった切実なご相談を受ける機会が年々増えています。
そのため、実態の景況感として、多くの経営者や人事担当者が「採用市場の競争はかつてないほど激化しており、正社員の有効求人倍率も1.3倍〜1.4倍、あるいはそれ以上に高騰しているのではないか」と肌感覚で捉えていると思います。
② 日経新聞の記事が示した「1倍割れ」の衝撃
ところが、先日発表された経済統計および日経新聞の報道に接した際、私は驚きを隠せませんでした。
そこに記されていたのは、「正社員の有効求人倍率が8か月連続で1倍を下回った」という、予想とは真逆の事実だったからです。率直に言えば、「これだけ人手不足でみんな困っているのに、なぜ求人が1倍を割り込んでいるのか?」という疑問を抱くのは至極当然のことです。
人手不足で採用ができないと叫ぶ現場のリアルな感覚と、統計データが示す「求職者の数よりも正社員 の求人数の方が少ない」という冷徹な数字。
このイメージと現実の間にある大きなギャップは、一体なぜ生まれているのでしょうか。この矛盾の正体を解き明かし、中小企業がこれから取るべき本質的な採用戦略について深く掘り下げてみました。あくまでも私見です。
① 有効求人倍率の推移とその背景
まずは、厚生労働省の「職業安定業務統計」を基に、ここ数年における正社員有効求人倍率の具体的な推移を見てみましょう。地域ごとの動向を把握するため、全国平均に加えて茨城県と東京都のデータも並べて検証します。
| 年 | 全国平均 | 茨城県 | 東京都 |
|---|---|---|---|
| 2021年 | 0.87 | 0.91 | 0.99 |
| 2022年 | 1.01 | 1.14 | 1.18 |
| 2023年 | 1.02 | 1.09 | 1.21 |
| 2024年 | 1.00 | 1.01 | 1.16 |
| 2025年 | 0.99 | 0.97 | 1.08 |
このデータから明らかなように、コロナ禍の直撃を受けた2021年に数値を大きく落とした後、経済活動の再開とともに2022年から2023年にかけて一時的な回復を見せました。しかし、そこをピークとして、全国および地方都市(茨城県など)では再び明確な低下傾向に転じ、直近では1倍を割り込む水準となっています。
企業の集まる東京都であっても例外ではなく、ピーク時の1.21倍から1.08倍へと顕著に低下しています。
② 「全体求人倍率」と「正社員求人倍率」の乖離
このデータだけを見ると、「企業が採用に消極的になり、人手不足が解消に向かっているのではないか」という錯覚を覚えます。しかし、現実は異なります。ここで注目すべきは、パートタイマーやアルバイト、契約社員などの非正規雇用を含めた「全体の有効求人倍率」です。全体の倍率は現在も1.2倍前後という高水準を維持しており、労働力そのものの需要は依然として逼迫しています。
つまり、企業は非正規雇用の獲得には今なお躍起になっているものの、固定費負担の大きい「正社員の採用」に関しては以前よりも慎重に選別を行っているか、あるいは従来の採用手段で思うように求人を出せていない可能性が浮き彫りになります。そして何より重要なのが、この統計データが持つ「構造的な落とし穴」を正しく理解することです。
① 「仕事を探す=ハローワーク」時代の終焉
過去10年〜20年ほど前を振り返ると、多くの中小企業にとって中途の正社員採用の王道といえば「ハローワーク(公共職業安定所)へ求人票を提出すること」でした。費用が一切かからず、地域密着で求職者が集まるため、「求人を出すならまずはハローワーク」というのが当たり前の常識だったのです。求職者側も、失業保険の手続きの延長線上で、ハローワークの端末を使って仕事を探すのが一般的な流れでした。
しかし、スマートフォンの爆発的な普及と民間求人サービスのデジタルシフトにより、中途採用におけるこの構造は劇的に変化しました。現在の求職者、特に20代〜40代の現役世代は、仕事を探す際にわざわざハローワークまで足を運ぶことは少なくなりました。ベッドの上や移動中の電車内で、スマートフォンの画面越しに求人情報を検索するのがスタンダードになったのです。
② 就職ルートの8割が民間サービスへシフト
厚生労働省が実施している「雇用動向調査」のデータを精査すると、驚くべき実態が見えてきます。近年、中途採用で実際に就職を果たした人のうち、ハローワークを経由して決定した人の割合は「2割弱」にとどまっているのです。言い換えれば、世の中の転職・中途就職成功者のうち「約5人に4人」は、ハローワーク以外の民間ルートを利用して次の職場を決めています。
現在、求職者および企業の間で主流となっている民間チャネルは、Indeed(インディード)や求人ボックスといった求人検索エンジン、エンゲージなどのクラウド、自社ホームページやSNS、そして民間人材紹介会社等多岐にわたります。前述した中途メインの「正社員有効求人倍率が1倍を割り込んでいる」という数字の正体はここにあります。企業側も一般の求職者側もハローワークから民間のWEBサービスへ活動拠点を移してしまっているため、統計上の数字だけが目減りし、現場の「人手不足の悲鳴」と統計の「1倍割れ」というねじれ現象が発生しています。
① 高卒採用におけるハローワークの絶対的な役割
これまで「ハローワーク離れが進んでいる」とお伝えしてきましたが、ここには非常に大きな、そして絶対に無視できない例外が存在します。それが「新規高校卒業者(高卒新卒)」の採用市場です。
一般の中途採用市場とは異なり、高校生の就職活動は「学校割当求人」という強固な仕組みに守られています。労働基準法や行政の指導(ルール)に基づき、高校生が応募できる求人は原則としてすべてハローワークを経由して学校に届けられる仕組みになっています。高校生がスマホの転職サイトで勝手に応募することはできず、進路指導の先生とハローワークががっちりとタッグを組んで就職活動が進みます。
つまり、高卒新卒の採用市場においては、現在でもハローワークが「100%主役の絶対的インフラ」なのです。
② 有効求人倍率4倍超という異次元の争奪戦
では、ハローワークが主役である高卒新卒採用の実態データはどうなっているのでしょうか。厚生労働省が公表している「高校新卒者の求人・求職状況」をみると、一般の中途市場とは真逆の恐ろしい実態が浮かび上がります。
直近における高卒新卒者のハローワーク有効求人倍率は、なんと「4.0倍〜4.5倍」前後という過去30年で最高水準の超・売り手市場を記録しています。一般的な大学新卒の求人倍率(大卒は1.7倍前後)と比較しても2倍以上の激戦区です。これは、「就職を希望する高校生1人に対して、4社以上の企業が群がって奪い合っている」状態を意味します。単純計算で、ハローワークに高卒求人を出しても「4社に1社しか採用できない(75%の企業は応募すら来ない)」という過酷な争奪戦なのです。
③ 少子化と求人増による構造的なミスマッチ
なぜこれほどまでに高卒新卒の求人倍率が高騰しているのでしょうか。原因は「構造的な需給崩壊」にあります。 近年の少子化および進学率の上昇により、高卒で就職を希望する生徒数はここ5年だけでも数万人単位で減少しています。一方で、現場の即戦力・技術継承者として若い労働力を喉から手が出るほど欲しがっている製造業、建設業、運送業、サービス業などの企業側からの求人数は、過去最高水準(年間45万〜50万件規模)へと膨れ上がっています。
この「生徒数の急減」と「求人数の急増」がハローワークという一つの器の中でぶつかり合った結果、4.5倍という異次元の数字が叩き出されています。中途採用と同じ感覚で「ハローワークは人が集まらないから、出すのをやめよう」とするのは中途市場では正解かもしれませんが、新卒・高卒の若手を採りたい企業にとっては、「ハローワークに死に物狂いで工夫を凝らした求人票を出さなければ、スタートラインにすら立てない」という真逆の戦略が必要になるのです。
① 好調な人材紹介市場とその仕組み
中途採用に話を戻すと、ハローワークの取扱量が減少している一方で、民間の人材紹介会社は右肩上がりの成長を続けています。テレビCMで見ない日はない「ビズリーチ」をはじめとする大手人材サービスを展開するVisionalグループ等の決算資料をみても、売上高・営業利益ともに極めて好調に推移しています。登録会員数や利用企業数も拡大の一途をたどっており、ここからも中途の採用市場全体が縮小しているわけではないことが証明されます。
② 中小企業を苦しめる「高額な手数料」の壁
しかし、この非常に便利な中途の人材紹介サービスには、中小企業が導入する上で極めて高いハードルが存在します。それが「成功報酬型の紹介手数料」です。一般的に、紹介会社経由で中途採用が決定した場合、企業は採用者の「想定年収の30%〜35%」を成功報酬として支払う契約となっています。
これを具体的な金額で中途採用時のシミュレーションをしてみると、その負担の重さが浮き彫りになります。
資格が必須かつ慢性的に枯渇している専門職(薬剤師や看護師など)であれば、背に腹は代えられずこの金額を支払うケースも多々あります。
しかし、一般的な製造業の現場スタッフ、建設業の施工管理や技能工、運送業のドライバーなどの職種において、中途を一人採用するたびに150万円前後のキャッシュが外部へ流出していくことは、中小企業の財務基盤にとって極めて深刻なダメージとなります。
結果として、「紹介会社を使えば採れるかもしれないが、高すぎて手が出せない」というジレンマに多くの中小企業が直面しています。また、手数料を支払った後に退職することも数多くあり、問題となっています。
① 外部消費から内部還元へのシフト(あくまで私案です)
中途採用において、紹介会社へ高額な手数料を支払う代わりに、「その予算の一部を、入社してくれた社員本人へ直接還元・投資する」という画期的なアプローチ(「WEB広告 + 定着支援金」モデル)を提案いたします。もし、紹介会社を利用して中途の正社員を1人採用しようとすれば約150万円の外部コストがかかります。この予算をそのまま外部へ消費するのではなく、以下のように組み替えるのです。
イ) ステップ1:積極的な情報発信(予算:約30万円)
中途採用においては、ハローワークへの無料掲載だけに頼るのをやめ、「Indeed PLUS」などの民間WEB求人媒体に有料広告を出稿したり、自社の採用ホームページを整備したりして「スマホ求職者層」へ広くアプローチします。
ロ) ステップ2:入社後の定着支援金の支給(予算:計30万円)
無事に採用が決まった中途社員に対し、あらかじめ就業規則等の規程を整備した上で、以下の形でダイレクトに手当を支給します。
この中途向けのスキームを合計すると、企業の総支出は「60万円」となり、紹介会社を利用した場合(150万円)と比較すると、実に5分の3である90万円ものコスト削減を実現できる計算になります。
コストが下がるだけでなく、求人票にこの制度を明記(例:「長く安心して働いていただくため、入社後1年間で計30万円の定着支援金支給制度あり」)しておけば、中途求職者にとって非常に魅力的なインセンティブ(他社との差別化)となり、早期離職の防止にも高い効果を発揮します。
注意点:本制度を導入する際は、労働基準法や各求人媒体の掲載規約に抵触しないよう、「支給要件」「欠勤控除の定義」「退職時の扱い」などをあらかじめ明確に定めた就業規則の改定をしておくことがトラブル防止のために不可欠です。
① 「中途」と「新卒(高卒)」で180度戦略を分ける
今回の分析で明らかになった最も重要な結論は、中小企業は、「中途採用」と「新卒・高卒採用」の戦略を完全に分けて二刀流で戦わなければならないということです。すべてを同じハローワーク、あるいはすべてを同じ求人媒体で一括りに処理しようとすること自体が、現代の採用市場における最大の失敗原因となっています。
| 採用ターゲット | 中途採用(一般転職市場) | 新卒・高卒採用(高校生・学校市場) |
|---|---|---|
| 市場の主戦場 | 民間WEB・スマホ検索Indeed、求人ボックス等への移行) | ハローワーク 100% (学校指定求人・進路指導の仕組み) |
| 実態の求人倍率 | 1.0倍前後(低下傾向) | 4.0倍 〜 4.5倍(異次元の高騰) ※超・売り手市場の激戦区 |
| 取るべき基本戦略 |
|
|
② 「採用」と「定着」を一体で考える労務経営へ
どれだけ採用の手法を凝らし、適切なチャネルを選択して素晴らしい人材を「採る」ことに成功したとしても、受け入れる社内の労働環境や人間関係が荒れていれば、バケツの底が抜けたように社員は流出していきます。特に、ハローワークで4.5倍の壁を乗り越えてようやく獲得した高卒の金の卵や、定着支援金制度で採用した貴重な中途社員がすぐに辞めてしまっては、企業にとって致命的な損失です。
これからの採用戦略とは、単なる「人集めのテクニック」ではなく、入社した社員が安心してステップアップでき、長く会社へ貢献してくれる「器づくり(労務環境の整備)」そのものです。
評価制度を明確にする、相談しやすいメンター制度(特に高卒新卒向け)を取り入れる、無駄な残業を削減する──こうした当たり前のような労務管理の積み重ねこそが、結果として最大の採用力(選ばれる力)へと繋がっていきます。
当事務所では、単なる手続きの代行にとどまらず、中小企業様がこのターゲットごとに激変する採用市場を生き抜き、強固な組織を構築できるよう、就業規則の改定から定着支援の仕組みづくりまでトータルで伴走してまいります。ぜひお気軽にご相談ください。
厚生労働省は、来年1月にスタートする個人事業者の業務上災害の報告制度をめぐり、都道府県労働局長に対し、改正労働安全衛生規則の施行通達を発出しました。労働基準監督署への報告義務が生じる「災害発生を把握したとき」に関する考え方が明確化されています。
注文者などが個人事業者本人から報告を受けた場合のほか、災害発生を現認した場合、被災者の救助や救急搬送があったことを把握した場合を挙げました。
改正安衛則では、個人事業者と同一の場所で仕事を行う直近上位の注文者(特定注文者)に対し、個人事業者が業務上の災害で死亡または4日以上休業したことを把握したとき、労基署への報告を義務付けます。特定注文者が存在しなければ災害発生場所管理事業者等に報告義務を課し、被災者本人に対しても、特定注文者などへの報告を義務付けています。
通達によると、特定注文者などは、被災者が報告義務を果たしていなくても、別の方法で災害発生を把握していれば労基署への報告義務を負います。
ただし、特定注文者などの責めに帰すべき理由以外の理由によって、業務上災害の発生を把握できなかった場合にまで義務を課すものではないとしています。具体例として、個人事業者が、故意、または自身に報告義務があることを知らずに、被災した事実を報告しないままその場から立ち去るケースを示しました。
<所長のコメント>
建築業等において、一人親方と請負契約をしている元請負会社にとっては、とても重要な変更です。責任の所在が明らかになりますから、労働者ではなく一人親方だから大丈夫というような甘い考えは通用しなくなります。