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社会保険に加入している事業主が、仕事中に大けがした場合、医療費や補償はどこから出るのかという問題があります。
本来日本は、昭和36年に国民皆保険になったため、何らかの医療保険から給付を受けることができるはずです。しかし、健康保険法の第1条(目的)では、「この法律は、労働者の業務外の事由による疾病、負傷若しくは死亡又は出産及びその被扶養者の疾病、負傷、死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。」と記されています。
簡単に言うと「業務外の事由による病気や負傷のとき」は給付を受けることができるということです。逆に考えると、業務上のときは給付を受けることができません。通常の労働者であれば、労災保険から給付を受けられるので何の問題もありません。しかし、事業主(社長や役員)は、労災保険の適用がありませんので、健康保険の給付も受けることができません。もちろん、実務的には救急車で病院に運ばれ、健康保険被保険者証を提示すれば治療を受けることができますが、後日協会けんぽから医療費の返納を迫られることになります。
これは、明らかに法律の不備です。しかし、司法判断の結果を受けて、法人代表者等の業務上傷病の取扱いに関する通達(平成15年7月1日 保発第0701002号)が出されており、5人未満の事業所で社員と同じような業務をしているときの事業主のケガ等については、特別に健康保険の医療の給付を受けることができるようになりました。あくまで医療費の給付であり、休業補償の給付はありません。
正直、当事務所にも2年に1度くらい、いろいろな人のご紹介で「事業主がケガをしてしまった。何とか労災の給付が受けることはできないか、何とか健康保険の給付を受けることができないか」という相談を受けることがあります。「お気の毒ですが無理です」としか答えることができません。健康保険を使用したときの返納する額は、けがの程度にもよりますが、入院した場合は百万円、多いときは数百万円などになることも少なくありません。
では、5人以上の事業主はどうしたらよいのでしょうか。この場合、労働保険事務組合に事務を委託して特別に労災保険に加入することができます。事業主が労働者と同じような仕事をしている場合でケガ等をする危険がある場合は、絶対に加入したほうがよい制度です。
民間の医療保険とは比べ物にならないほど保険料が安く給付がよいためです。特別加入したときの保険料(1年間)は、業種にもよりますが安い場合で4,600円弱です。社長、役員又は家族従事者が工場や建設現場等にて作業をしているときは、 必ず加入することをお勧めいたします。
事業主が特別加入するときは、当事務所に併設している労働保険事務組合 中小企業賃金労務研究会にて加入ができます。なお、加入に際しては会費(月額3千円)が必要となります。詳しくは、お問い合わせください。
労働保険事務組合とは
労働保険事務組合とは、事業主の委託を受けて、事業主が行うべき労働保険の事務を処理することについて、厚生労働大臣の認可を受けた中小事業主等の団体です。
労働保険事務組合として認可を受けている団体には、主に社会保険労務士の主催する団体、事業協同組合、商工会議所、商工会などがあります。当事務所に併設しています『労働保険事務組合中小企業賃金労務研究会』及び『茨城中央一人親方建設業組合』は平成10年4月認可を受けております。
一人親方が加入できる労災保険の特別加入とは
建設業にたずさわる一人親方は、一人親方として、労災保険に特別加入することができます。
ハウスメーカーやゼネコンなどの下請けをする一人親方は、労災保険に特別加入していないと仕事をいただけないことが多いようです。そのため、仕事を受けるために加入している方が多いのが特徴です。
当組合では、元請けに提出する労災保険の加入証明書や現場に出入りするときに携帯する加入員証を発行しております。
一人親方の定義
労働者を使用せず、又は年間延べ100日未満の労働者しか使用しない個人事業主。法人の代表者で労働者を使用せず一人で建設業に従事する方、又は年間延べ100日未満しか労働者を使用しない法人の代表者。なお、家族のみで建設業に従事する個人事業主及び法人の代表者も該当します。
一人親方の労災保険料
加入者の8割は、給付基礎日額5,000円で加入しています。このとき1年間(4月から翌年の3月まで)の保険料は、32,850円(料率1000分の18)となります。原則として加入時に1年分(翌年の3月まで)の保険料を一括して納付していただきます。途中で退会したときは、未経過の保険料を返金いたします。
会費
会費は月額1,500円です。原則として加入時に1年分(翌年の3月まで)を一括して納付していただきます。途中で退会したときは、会費については返金いたしません。
また、入会時に入会金として5,000円をいただいております。